2008年03月23日

悪性リンパ腫の診断

悪性リンパ腫の診断に用いられる検査には、以下のようなものがあります。

(1)リンパ節生検

大きくなっているリンパ節のすべて、あるいは一部を、いろいろな検査に用いる
ために局所麻酔を行って採取します。

採取された組織は、病理医が顕微鏡で腫瘍の顔つきを調べて、病理学的分類を行う
のに用いられます。
また組織の一部は、診断に重要な染色体検査や遺伝子検査にも使われることがあります。

遺伝子検査といっても、親から子へ遺伝する病気の有無について調べるものではなく、
がん細胞が持っている特有の遺伝子の異常を調べるものです。
診断ばかりでなく、治療の手がかりとしても非常に重要です。

これらの検査によって、リンパ腫の病型(タイプ)が決定されます。


(2)病気の広がりをみる検査

悪性リンパ腫に対する最適な治療を選択するために、病気が体のどこに、
どれくらい広がっているかを知ることが大変重要です。
病気の状態が進んでいるかどうかは、予後に大きく影響します。
このため、以下のような検査が重要になります。

胸部X線検査
コンピュータ断層撮影(CT)
核磁気共鳴検査(MRI)
ガリウムシンチグラフィー
ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(PET)
骨髄検査:穿刺(せんし)吸引検査、生検
腰椎穿刺(ようついせんし):
 脊柱管(せきちゅうかん)の中にある液体(脳脊髄液)を
 採取する検査*
消化管検査:胃内視鏡、大腸内視鏡等

*中枢神経浸潤が疑われるとき、あるいは中枢神経への広がりが起きやすいタイプ
の病気のときに行われることがあります。


(3)全身状態と、原因となるウイルスをみる検査

悪性リンパ腫の中には、ウイルス感染を契機に発生するものがあります。
このため、さまざまなウイルスの感染状況を調べることも重要になります。

1.末梢血、肝機能、腎機能、血糖
2.ウイルス抗体価:B型肝炎、C型肝炎、ヒトTリンパ球向性ウイルスI型(HTLV-I)、
ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)、Epstein-Barrウイルス(EBV)


(4)病気の広がりや勢い、治療効果を反映する検査

以下の血液検査をチェックすることが重要です。

1.乳酸脱水素酵素(LDH)
2.C反応性蛋白(CRP)
3.可溶性インターロイキン‐2(IL-2)受容体
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2008年03月22日

治療の種類(前編)

悪性リンパ腫の治療法には次のようなものがあります。


1.化学療法(抗がん剤)
2.放射線療法
3.生物学的製剤
4.経過観察(注意深い観察)
5.造血幹細胞移植:自家移植、同種移植

悪性リンパ腫の治療には主に、抗がん剤を用いる化学療法と放射線療法があります。

手術を必要とすることは稀です。

治りにくいリンパ腫や治療の効果が十分でない患者さんに造血幹細胞移植が
有効な場合があります。
どのような治療法が適しているかは、リンパ腫の病型や広がりなどにより異なります。

一般的に、これらの治療法は、悪性リンパ腫にたいしてよく効くことが多く、
治癒することも期待できますので、適切な治療に専念することが大切です。


1.化学療法

薬剤によりリンパ腫細胞を殺す治療法です。
リンパ腫にたいして感受性のある(効き目の高い)薬が数多く開発されており、
いろいろな薬が組み合わせて使用されています。
多くは2〜3週間単位で行われ(これを1クールと呼びます)、副作用が
強くなければ4−8回(クール)繰り返します。
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2008年03月21日

治療の種類(後編)

2.放射線療法

高エネルギーのX線を病気のある部位に照射して、腫瘍に対する殺細胞効果を
期待する治療です。
照射した部位に対してのみ効果が期待できます。

病巣が狭い範囲内に限る早期のリンパ腫などには放射線照射が、単独もしくは
短期的な化学療法と併用で実施されることもありますし、病巣が大きい場合には
化学療法の後で照射することもあります。

照射は1週間に5回、4週間から6週間続ける場合が多いですが、体調により
回数や期間が短くなることもあります。
照射する部位の粘膜に炎症がおき、部位に応じた症状が起こることがあります。


3.生物学的製剤

最近よく使われる薬がリツキサンです。
CD20という、成熟B細胞の性格を示す悪性リンパ腫に効果があります。
抗体に放射性同位元素を結合したものも開発され、海外では再発・難治性の
低悪性度群リンパ腫に効果が認められています。
日本でも承認申請が出されています。


4.経過観察(注意深い観察)

ゆっくり進行型のリンパ腫の場合、全く無症状で何年も経過することがあります。
化学療法を行うメリットがないと判断される場合には定期的に診察を続け、
何か症状が出たときにはじめて治療を行うという選択です。
物足りなく感じる患者さんもいるかもしれませんが、医師に対するヒポクラテスの格言、
“First, do not harm!(まず第一に害を与えないこと)”
の実践ともいえます。


5.造血幹細胞移植

標準的な化学療法だけでは再発の可能性が高い場合に、大量の抗がん剤を使用する
ことで治癒を期待する治療法です。
posted by mali at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 悪性リンパ腫 治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする